生き方・心の在り方

真の親孝行

あなたは親孝行をされていますか。

私は正直、それがきちんとできているのかどうなのか、不安です。

あなたは、何をもって、きちんとした親孝行ができていると実感することができるでしょうか。

親孝行については、その人の境遇や、その人の親孝行の質が高いレベルであるのかどうなのかは、今は議論をとりあえず置いといて、親孝行をきちんとしようというような意識のない人は、成功は難しいと言っても過言ではないでしょう。

「この親不孝者めが~!!」という言葉がそれを象徴します。

メカニズムを話してしまうとシンプルです。

親孝行をしないということは、親への感謝がないということ。最も身近な感謝がその人に欠けているとすると、絶対とは言い切れませんが、その人に感謝という概念や重みがなくなってしまっている可能性が大いにあります。

じつは、「感謝」というのは、世渡りや世間一般に言われる成功という類のものを達成するのに、きわめて根本的に必要とされるスキルだからです。

感謝なき者に、大いなる成功は絶対にありません。

成功に最も必要なものは、感謝であって、感謝の心があるからこそ、その人に責任感や使命感、恩返しの心が芽生え、それが糧となって努力のエネルギーに転化し、その人に力を与えます。

例えば、家族やお客様に深い感謝の念があるからこそ、その人達のために喜ばせたい、頑張りたいなどの気持ちが湧き起こり、その心意気が相手に通じて、相手の心と感情を突き動かし、ビジネス等の成功が得られるというのが、そのシンプルなカラクリです。

感謝というのは、ある種の習慣というか癖みたいなところがあって、親に感謝できない、親孝行をしないということは、その人に感謝の習慣がないわけですから、「親孝行力=成功力」と言っても差し支えないと考えられるのです。


などと、理屈の上では何とでも自由に論を通せます。

しかし、私自身、きちんと親への感謝ができていたか、親孝行を真剣に考えていたかというと、明らかに落第だと思います。

私は父親が心底嫌いでした。

父は仕事のことしか頭になく、家族を省みるなどというのは皆無な人でした。

父の私に対する口癖はいつもこうです。「おまえは何も分かっていないんだ」「おまえは黙っていろ」です。

私は父親を、人の話を全く聞かないヤツ、典型的なワンマンだと、幼いころから認識していました。当然、相談なんてものは一度たりともしたことがありません。

「その人の生き様は、死に様にでる」と言われます。父も例外ではなく、孤独に誰からも心配されるわけでもなく、一人寂しく老人ホームで亡くなっていきました。

正直、父が亡くなって、悲しんだというよりも、皆ホッとしたというのが本音なんだろうというのは、周りの人間の表情を見ていれば、よく分かります。

いきなりコーチングの話題になりますが、ゴール設定に「バランスホイール」が重要なのはこのためです。バランスホイールというのは、人生の各方面にバランスよくゴールを設定することです。

仕事や自分自身のことばかりを考え、バランスの整った視点や、家族と社会に対する貢献の想いと目線がないと、人生の末路はこのようになるという典型例です。

バランスを欠いた人生や生き方は、やがて孤独に陥り、成功を目指せなくなってしまうのです。これを心理学用語で、「分離不安」といいます。

分離不安とは、文字通り、分離する、孤独になることで、自分自身を信じられなくなる。自分の存在や目標に自信が持てなくなり、不安に陥って何もできなくなってしまう無意識的な心の働きのことです。


しかしながら、父が亡くなってしばらくしたある時、私も多少なりとも精神的に成長し、感謝と社会との関わりについて意識をするようになりました。その中には、自分の命と存在と、それを与えてくれた親への感謝の気持ちも含まれます。

感謝とか親孝行の気持ちがないと、真っ当な世渡りができないことは、先に申し上げた通りです。

親孝行に正解というのはあまり聞きませんが、まずは「親を喜ばせること」が何よりの親孝行だと思います。

しかし、亡くなった親に対して、親孝行というのは、どのようにしたらよいのでしょうか。

周知のように、私の父もすでに亡くなっています。


私が20代後半だった頃、「小林正観(こばやしせいかん)1948~2011」という人の本を随分とたくさん読んでいました。

この方は、宇宙のカラクリとか真理の解明が生きがいというのか、使命というのか、趣味の方で、本の内容は桁違いに含蓄が深く、人生や生き方に対する学びが多く、私も心底魅了されてしまいました。ものすごく強い影響を受けました。

書籍・著作が数多く、どの本に何が書かれていたのか、正直忘れてしまいましたが、正観さんの本の中には、なんと「親孝行の仕方」がきちんと書かれていたのです。

そしてその内容は、驚くべきことに、親が生きていようが亡くなってしまっていようが、実践できる親孝行なのです。

それは、「親が、おまえが子供で本当によかったと心底思えるような、周りについ自慢したくなるような、そんなしっかりとした立派な人間に自分がなること」だと書いてあった記憶があります。

詳しい言葉じりは覚えていないのですが、大体こんなふうなことが書いてあったと、おぼろげながら記憶しています。正確でなくて申し訳ありません。


【真の親孝行】

真の親孝行とは、両親が「私の息子娘は、こんなに素晴らしいんだ」と、周りの人達につい自慢したくなるような、自分がそんな人物になること。

親はいつか必ず、自分より先に天寿を全うします。そして天国でも両親が、周りの人達や神様達に「見てください。私の息子娘、本当に凄くないですか」と、つい自慢してしまうようになることです。


あなたにも、ぜひ、そんな最高に誇り高き人物を目指していっていただきたいと思います。

これが、真の親孝行と言えるものなのでしょうか。