コーチング用語集

クリエイティブ・アボイダンス(創造的逃避)の攻略

「クリエイティブ・アボイダンス」という心理現象、コーチング用語について解説をします。文字どおり、「創造的な心理的逃避行動」のことです。

いわゆる「現実逃避」も、この心理現象で説明がつきます。

クリエイティブ・アボイダンスとは?


掃除をしようとしていて、急に何か他のことが気になり出したり、急用を思いついたり、あるいは、スマートフォンをいじりたくなる、出かけたくなる、遊びに行きたくなるなど、掃除がなかなか手につかないという経験は、誰しもあると思います。

掃除に限らず、「自宅で溜まった仕事をしようとしていて、結局やらなかった」「勉強をしようとして、結局遊びに出かけてしまった」「○○に集中したいのに、なぜか手につかず、他のことに気が向いてしまう」、これらのことが「クリエイティブ・アボイダンス」という心理現象です。

クリエイティブ・アボイダンスとは、「何かをしようとしても、なぜか集中できず、つい他のことに意識が向いてしまうこと」です。

集中したいと願うことから”逃避”し、その逃避行動を思いつくことに関して脳がクリエイティブ(創造的)に働くので、この名がついています。

避けることに対して、脳が非常にクリエイティブであることが特徴です。

クリエイティブ・アボイダンスのメカニズム

① モチベーションの本質


どうして、やりたいと思っているのに、できないのでしょうか?

それは、表面上の意識ではやろうと考えていても、心の奥底や潜在意識では、本当にしたいとは思っていないからです。

先の掃除や仕事や勉強の例で言えば、それらを心から望んで、「したい」「やりたい」とは思っていないのです。

私たちが本当に心底から望んで、楽しんでやりたいことに対して、私たちは普通、躊躇などありません。躊躇したり、二の足を踏むのは、心のどこかでそれらに対し望まない心理と本音があることに起因します。

要するに、本当はやりたくないのです。


ここを理解するのに、モチベーションについて知っていると、理解がスムーズです。

コーチングの体系の場合、モチベーションには2種類があると考えます。

2種類の動機
  1.  心からやりたい(Want-to) ⇒

     「内面」から自発的に生じるもの ⇒

     「建設的な動機づけ」


  2.  しなければならない(Have-to) ⇒

     外部からの圧力によるもの ⇒

     「強制的な動機づけ」

② 建設的な動機づけ


「建設的な動機づけ」とは、内面から自発的に生じるモチベーションです。「~したい」という「Want-to感情」による理想的な動機づけのことです。

このモチベーションによる判断や行動には、高い生産性とパフォーマンス、そして成果が期待できます。

コーチングでは、この「建設的な動機づけ」のもとで、目標やゴールを設定し、ゴール達成を促すというスタンスで臨みます。

私たちの一般的な感覚で言うと、「モチベーションというのは出すもの」というイメージです。意志の力とか努力と考えている人も少なくありません。

ライフィングコミット 杉本

しかし、本当のモチベーションとは、出すものではなく、「心の底から湧き上がるもの」というのが正解です。


× モチベーションが原因、成果が結果

◎ マインドが原因、モチベーションと成果が結果

後述しますが、正確には、「コンフォートゾーンが原因で、モチベーションや成果が結果となります。

③ 強制的な動機づけ


「強制的な動機づけ」とは、外部からの圧力によって生じるモチベーションです。「~しなければならない」という「Have-to感情」によるネガティブな動機づけのことです。

「上司の指示や命令で仕方なくやっている」「親や教師に説教をされて嫌々せざるを得ない」「常識・世間体・固定観念という束縛によって判断をしている」というような、背後に「強制感」「束縛感」「恐怖心」「脅迫観念」を抱いています。

このような感情のもとで動機づけがなされる背景には、「やらなければならない。さもないと、○○になってしまう」という自分の自由が奪われる恐怖が根底にあります。

「さもないと」のその先に訪れる結果に対して、「自分の行動を制限されてしまう」「自由な選択を禁止されてしまう」といった、予想される不都合・不利益な事態を避けるために起こるモチベーションなのです。

人間は、この「Have-to」感情や動機づけのもとでは、決して高い能力やパフォーマンス、生産性や創造性を発揮し続けることはありません。たとえ、強い指導や脅しがあって、パフォーマンスが上がったとしても、それは一時的なものに過ぎません。必ずその後に逃避行動が現れます。

これがクリエイティブ・アボイダンスの正体です。

モチベーションとコンフォートゾーンの関係

× モチベーションが原因、成果が結果

◎ コンフォートゾーンが原因、モチベーションが結果

ライフィングコミット 杉本

コンフォートゾーンとは、人それぞれが固有に持つ「自分にとって無意識に居心地がよいと感じる領域・空間」のことです。

セルフイメージに則った世界観のことです。

じつは、内面から自発的に生じるモチベーション「建設的な動機づけ」とは、コンフォートゾーンを維持するために生み出される心のエネルギーのことなのです。

別の言い方をすると、セルフイメージに合致した結果がもたらされる判断や行動に対して、潜在意識はエネルギーと創造性を発揮し、建設的な動機づけが生まれます。

逆に、セルフイメージやコンフォートゾーンにそぐわない対象・判断・行動に対しては、ポジティブなエネルギーとモチベーションは決して湧いてきません。

その状態にもかかわらず、努力や意志の力だけで何とか乗り越えようとすることを「強制的動機づけ」という言うのです。そして、否応なしにクリエイティブ・アボイダンス(逃避行動)が発生します。


「建設的な動機づけ」と「強制的な動機づけ」は似て非なるものです。というより本質的に全く異なるものです。脳の中で、それぞれのモチベーションが生まれるメカニズムが全然違うのです。

  •  建設的な動機づけは、潜在意識によるもの

  •  強制的な動機づけは、顕在意識によるもの

クリエイティブ・アボイダンスの対処法

① マインドの本質を知る 


「掃除をしよう」「仕事をしよう」「勉強をしよう」と思って、難なくすんなりと行動を起こすことができれば、そのモチベーションは理想的な「建設的動機づけ」によるものです。

生き生きワクワクした状態で対象に励むことができます。高い生産性とパフォーマンスを発揮し、高い成果が期待できます。

問題は、「掃除をしよう」「仕事をしよう」「勉強をしよう」と思っても、すんなりと行動に移せない場合です。

  •  「ワクワクしない」

      
  •  「なぜか集中できない」

  •  「脳がクリエイティブにならない」

  •  「体がなかなか思うように動かない」

  •  「やる気やモチベーションが続かない」

  •  「振り切って劇的なパフォーマンスを発揮できない」

この状態で無理に行動を起こすようにしても、やる気とモチベーションが続かず、結局はすぐに終わってしまい、”やるべきこと”とは異なった逃避行動が生じてしまうのが関の山です。

表面上の意識だけで「やるべき」と考えているだけで、それは顕在意識の範疇なのです。

② 潜在意識の力を活用する


クリエイティブ・アボイダンスを発生させないためには、本当のモチベーション、すなわち「心の底から”勝手に”湧き上がる自然なエネルギー」によって行動をしなければなりません。

それは潜在意識が生み出してくれる理想的なモチベーションです。「意志の力」だとか、「努力をして何とか」というスタンスとは全く感覚が異なります。

そして、先ほどのコンフォートゾーンのメカニズムから説明しましたが、「理想的なモチベーションとは、潜在意識が”自動的に”生み出し、セルフイメージやコンフォートゾーンに合致した判断や行動」なのだということです。

ですから、努力をしてやるべきことに当たるのではなく、「マインドを変える」ことが何より先決です。

ライフィングコミット 杉本

マインドを変えるとは、「セルフイメージやコンフォートゾーンを変えること」です。


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