お金

資産と負債

はじめに


この記事は、お金に関するテーマの中でも特に重要な「資産と負債」に関するものです。

この資産と負債に対して、どのような感覚や意識を持ちながら生きていくかによって、その後の人生や資産形成に、天地の差が訪れてしまいます。


私の本業と生業はというと、このブログ上では”コーチング”や”マインド”に関わるものに見えるかもしれません。しかし、じつを言うと、私にとっては投資家としてのキャリアの方がずっと長いのです。

もう15年以上、資産形成や投資について考え、研究してきました。

その私が到達した考え方やお金との向き合い方について、ここで述べることは、皆さんにとっても多少なりとも有意義なものになるのではないかと思い至り、今日は特に、「資産と負債」について触れます。

また、資産形成と投資の勘所については、すでに別の記事でも解説がありますので、併せて読んでいただければ、より理解が深まると思います。



それではさっそく、本題に入りましょう!!

STAGE1 資産とは? 負債とは?

負債とは?


まずは、「負債」という言葉の意味からスタートします。

”負債”という漢字を見ると、意味が分かりやすいですね。

「債務を負う」ということです。

要するに、返済すべき責任と義務があるということです。借り物のことです。他の人や組織から金銭や物資を借りることです。支払義務があることです。

借金がその典型ですね。銀行などからお金を借りた、返済支払い義務のあるもののことです。

言い方を変えると、「負債は自分の持ち物ではない」ということです。

このように表現すれば、何ら難しいことでは全くありません。

資産とは?


その逆が、「資産」です。

「資産は自分の持ち物のこと」であり、当たり前ですが、誰かに返さなくてもいいものです。会計学上では、厳密には、”純資産”と表現すべきですが、ここは会計学の講座ではないので、シンプルに資産と書きます。

資産は、貯金として蓄えている現金はもちろんのこと、お金に換金できる財産すべてが含まれます。土地・不動産や株式、社債や手形など、現代には色々な形の資産が存在します。

クルマだって、立派な資産です。誰かに返さなくてもいいものですし、自分の持ち物ですし、売ればお金に換金できます。

ただ、そのクルマを借金で買えば、クルマは資産に見えても、借金という負債も同時に存在するわけですから、そうすると、事実上、そのクルマは資産にはあまり見えないわけです。

ここも厳密に言えば、「クルマは資産」で、「クルマを買ったお金は負債」で、「資産-負債=事実上の自分の持ち分=純資産」となります。

まあ、細かいことはいいでしょう。そこの厳密な定義や会計学上の解釈をつきつめたところで、今後のあなたの資産形成に大きな意味合いと価値が生じるとは、私は思っていません。

資産と負債の定義


シンプルに、こうなります。

資産 = 自分のもの

負債 = 他人のもの、返すべきもの

たったこれだけのことです。簡単でしょう?

世間では小難しい解釈や説明が多々見受けられますが、もっと簡単に書けば分かりやすいのに~と思ってしまいます。

心理的には、その気持ちも分からなくはない。みんな承認欲求と目立ちたがり屋だから、小難しい文章を書くと、何やら自分はすごいという幻想に陥るのです。

文章を書く動機が間違っているのです。相手や読み手のことを想い、分かりやすく書いて利他に徹するか、それとも小難しく目立って書いて自分を尊重し、利己的な動機で文章を書くかの違いでしかありません。

常識的な定義ではうまくいかない?!


さて、上記の資産と負債の定義は、社会一般に広く通用する常識的な定義の仕方です。

定義の仕方というのは、じつを言うと、一通りではないというのが、多くの人が見逃しがちな点です。

哲学などをやっている人から見たら、その知識と勘所こそ常識的な範疇なのですが、定義の仕方には色んなやり方があっていいのです。

むしろその方が自然で、物事は多面的であるべきですし、一つの偏った見方というのはあまりよろしくない。

それはやはり、「ゴールによる」というべきでしょう。ゴールによって、その人の価値観によって、定義の仕方は当然異なりますし、この世に唯一無二の絶対は存在し得ないのです。

このことは、数学における”不完全性定理”によってすでに証明されています。


ですから、上記のような常識的な資産と負債の定義があれば、一方で、別の定義があっても、全くおかしくありません。

お察しのとおり、上記の定義では、優れた資産家や投資家になることは難しいと私は思っています。

もし、上記の定義がそんなにも本質的で優れているものであれば、もっと世の中は資産家や金持ちで溢れているはずです。

正しい教育がない?!


しかし、現実には全くもってそうではない。

お金の管理ができない人や、赤字や借金や負債に悩まされる人が後を絶たず、この世の大多数を占めています。

なぜそうなるのか。


資産と負債に関する常識と感覚と定義が、間違っているからです。言い方を変えると、正しい教育がない。

こういうことこそ、学校できちんと教えてほしいものです。

学校では、生き方やマインドの使い方、経済観念、ビジネスの本質、お金の管理の仕方、経営の真髄など、皆無です。

日本の教育制度はどうかしているとしか思えないのは、私だけではないはずです。

こんなずさんな教育システムだから、いつまでたっても、お金に困る人は増えるし、経済が立ち行かなくなるのです。

本質的に、正しい教育がないのです。

STAGE2 ”正しい”資産と負債の定義

資産のウソを正す?!


”正しい”という言葉を使うと、やや語弊がありますが、それでも、上記のお金の管理ができない人を増産する間違った資産と負債の定義よりは、はるかにマシです。

ここできちんと改めましょう!!


例えば、「家」を所有しているとします。

上記の常識的な定義で言うと、明らかに資産です。資産は自分の持ち物ですから、借金がなければ完全に純粋な資産で、自分のこれまでの努力の結晶であり、ある意味、誇らし気な資産そのものです。

しかし、多くの人は、収入が増えると、家を大きくしたり、買い替えたりして、資産を増やします。そうすると、資産は増えますから、よりお金持ちになったはずなのですから、より裕福でより余裕のある生活になっていそうなものなのです。が、現実には、そうはなってはいません。

資産は増えたはずのに、事実上、より生活は困窮してしまっているのです。

ここに違和感を感じはしないでしょうか。


じつは、ここにこそ、大きなウソと誤りと、定義の欠陥があります。

感覚的に、資産は豊かさの象徴ですが、家を大きくして資産を増やしても、豊かさが増えたようには感じられないのが現実なのです。

なぜだか、分かりますか?

支払いが増えて、家計を圧迫しているからです。

支払いの筆頭は、固定資産税と光熱費、修繕費です。家は大きくなればなるほど、コストはかかり、出費が増え、その人の財力を削ります。

他にも、例えば、家が大きくなると、概ね家具も高くなります。

上記の常識的な定義で言うところの、資産とは、感覚的には豊かさの象徴ですが、現実的には出費の象徴なのです。

これをあなたは、資産だと、心底感じられますか?

私には到底感じられません。

”本当の”資産とは?


資産とは、自分の持ち物であり、豊かさやお金の象徴であるべきですし、負債とは、”負う”のですから、豊かさや余裕を減らすものというのが、真っ当な判断と感覚というものでしょう。

「家を所有してそこに住む」というのは、一見して資産に見えますが、先の説明の通り、支払いが増えるばかりなので、負債にも感じられます。

前述した常識的な資産と負債の定義に”違和感がある”、というより、本質的に間違っているのです。

はっきり申し上げると、会計学上の”正しい”資産と負債の定義では、絶対に大いなる資産は築けませんし、真っ当な資産家や投資家には絶対になれません。

定義の見直しが絶対的に必要なのです。


間違った資産と負債
  •  資産 = 自分のもの

  •  負債 = 他人のもの、返すべきもの

正しい資産と負債
  •  資産 = お金を生み出すもの

  •  負債 = お金を減らすもの

資産と負債の意識と解釈を改める

正しい資産と負債の定義にしたがって、「家」を見直します。

  •  家は、自分で住むと、出費が増えるので負債です。

  •  家を他人に貸すと、家賃収入があるので、資産なります。

これが真実であり、資産家や投資家のあるべき視点と姿です。何度も言いますが、この意識と感覚がないと、真っ当な資産家・投資家には絶対になれません。

クルマやマイホームはじつは負債で、家賃や税金や様々な出費が重なるからです。

同じ家でも、自分で住むと負債になり、人に貸すと資産になります。この感覚こそが、資産形成に最も重要で役立ち、かつ必要不可欠な知識です。


資産 = 自分のポケットにお金を入れてくれるもの

負債 = 自分のポケットからお金が出ていくもの

「大切なことは資産と負債の違いを知り、資産を買うこと。金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人は負債を手に入れ、それを資産だと思い込む」

ロバート・キヨサキ(投資家、実業家)

推薦図書・参考文献: ロバート・キヨサキ 著

「金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」
「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント:経済的自由があなたのものになる」



この2冊の本は、資産家や投資家を目指すのなら、避けては通れない書籍だと思います。

私はこの2冊を20代の後半にはじめて読み、焦り、慌てて考え方を変え、今に至ります。「何でこんなに大事なこと、もっと早く誰か教えてくれないんだ。学校で習わないんだ」と心底憤りを感じたものです。

と同時に、この知識を与えてくれた著者のロバート・キヨサキ氏には、心からの敬意と尊敬の念を、今もなお抱き続けています。

私が資産家と投資家になれたのも、間違いなく、この方のおかげです。


経済評論家で実業家の上念司氏が、何かの話で、「これを知っていれば、誰でも金持ちになれると思う」と言っていた記憶があるのですが、私もまったく同感です。

上念氏は、上記の2冊を「お金の旧約聖書と新約聖書」と比喩していらっしゃいましたが、大変面白く的確な例えだと思います。

名言紹介

「借り手にも貸し手にもなるな」という有名な格言がある。シェイクスピアの悲劇「ハムレット」に出てくる言葉だ。

個人的なお金の貸し借りをすると、お金と友人の両方を失うことになる。お金を借りるのは、相手に自分はお金を管理する能力がないと言っているようなものだ。経済的に頼ったり、頼られたりする関係が生じるのは、人間関係において良くない。

私は子供たちに借金を含めたお金の扱い方を教えている。子供たちが生まれたとき、お金を貯めることを学べるようにと、私は5つの貯金箱を用意した。

私は2人の子供たちに、お金を使うより先に、節約することを知ってほしいと思っている。それを学ぶことは本当に大事だ。子供たちが成長してお金を稼ぐようになって「節約の習慣が私を救ってくれた」と思ってくれることを、私は望んでいる。

子供たちがお金をもらった時はどうすればいいのか。私は娘たちに、「いったんお金を貯金したほうがいい」と伝えている。そうできなければ、子供たちは普段からお金を使いたいと思っているので、いつか問題が発するだろう。

だから、お金は使うのではなく、節約することが大事だという基本をまず教えることが大事だ。

もちろん、子供たちは、将来、そのお金を使うことができる。ただし、自分が何をしているのかをきちんと理解し、お金の使い方をコントロールできるようになった場合に限るべきだ。

お金についての最良のアドバイスは、お金を使うことよりも、節約することを重視すべきということに尽きる。

もちろん、それはお金を使うなという意味ではなく、あなたが100台のクルマを所有できないということでは全くない。100台のクルマを購入するのに十分な貯蓄と収入が得られれば、何の問題もない。

しかし、最初にお金を自分のコントロール下に置いてから、好きなように使った方がいいのは間違いない。困ったことになりたくないなら、あなたが持っている以上のお金を使おうとして、借金しない方がいい。

ジム・ロジャーズ 著「危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来」より引用要約