コーチングのスタートアップとなるゴール設定、「バランスホイール」によるゴールの設定方法について解説していきます。
コーチングとは、「人生の大いなる目標であるゴールを設定し、そのゴールを実現するためのマインドの上手な使い方」のことです。
ゴール設定とは?
ゴールとは、「人生の大いなる目標、目的地」のことです。
バランスホイールとは、「人生の各方面・各分野にゴールを設定する」ことです。
- ゴールは「現状の外側」に設定する
- 心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する
- ゴールは人生の各方面にまんべんなく設定する(バランスホイール)
※ 「現状の外側」のゴールとは、現在の延長線上の未来には到底起こり得ない、自分が大きく変わらない限り、絶対に達成できないような遠く高いゴールのことです。達成方法が現時点ではまるで見えないゴールです。
人生というのは探求であり、冒険であり、壮大な物語です。たったひとつの目標やゴールで完結させてしまってはあまりにもったいない。
以下の視点を参考にしながら、「自分の人生に本当に必要なこと」「心が揺さぶられるもの」から自由にのびのびとゴール設定をしていきましょう。以下の項目すべてを厳密にひとつずつ目標設定する必要など全くありません。
また、「ゴールが先、方法は後から」というのも、ここでの重要なポイントとなります。(後述詳細)
個人のバランスホイール

- 職業、社会的地位や名誉
- お金、収入、資産
- 趣味、余暇、スポーツ
- 健康、美容、鍛錬
- 生涯学習、語学、今後の挑戦
- 住環境、所有物
- 家族、家庭、教育
- 人脈、人間関係、パートナーシップ
- 地域活動、社会貢献 など
人生や組織において、各方面にゴールをバランスよく複数設定することを「バランス・ホイール」といいます。
企業・組織に関するゴール設定「バランスホイール」はこちら
バランスホイールは、大きく分けて2つの視点で見ることもできます。「社会的な成長」と「人間的な成長」です。両者をきちんと設定することが、本当の意味での成功と繁栄を築くことができる秘訣です。
- 「社会的成長・目標」:
地位や名誉、お金、趣味や生きがいといった、自分を喜ばせるための利己的目標
⇒ 能力の向上 - 「人間的成長・目標」:
家族、友人や仲間、地域活動や社会貢献など、自分以外をどう幸せにするかといった利他的目標
⇒ 人間性の向上
バランスホイールに関するゴール設定理論の解説はこちら
ゴール設定のコツと注意点

① ゴールが先、方法は後から
ゴール設定は現状や過去に一切とらわれず、自由にのびのびと自分の心に正直に、遠慮も躊躇もする必要はありません。
多くの人は方法ややり方の見えない目標に対して不安を抱き、ゴール設定しようとはしません。
しかし、ゴールの達成方法は、ゴールを設定すると、後から自然に見えてくるようになります。それが私たちの持つ潜在意識に秘められた能力であり、コーチングの醍醐味なのです。
ですから、ゴール設定の時点で、ゴールの達成方法が分からないことは何の問題もありませんし、達成方法が分からないからといって、ゴール設定に躊躇する必要もまったくないのです。
ゴール設定において最も重要なことは、それを心から望んでいるかどうかの一点にかかっています。
「ゴールが先、方法は後から」について詳しくはこちら
② 他人との比較をしない
ゴール設定は、他人のものさしを一切利用しません。
他人との対比・比較は、コーチングにおいて何の意味もないことです。他人との競争や他人に何かで勝ったからといって、それが一体どうだというのでしょうか?
競争による勝利の栄光というのは確かに感じるかもしれませんが、それはほんの一時です。
それよりも、私たちが本心でどんな人生を求め、歩みたいのか? どのようにして生きることに本当の意味での幸福と豊かさを感じることができるかということに、人生の価値と真実があるはずです。
ゴール設定においては、他人のものさしは一切関係ありません。あなたが本心から望むあなただけのゴールを目指せばいいのです。
他人との比較とマインドとの関係について詳しくはこちら
③ 期限設定をしない
コーチングの場合、ゴール設定において期限設定は設けません。
期限設定を行うと、それにとらわれてしまい、大いなる成長と変革を否定してしまうことが少なくありません。
期限設定とは、ゴールを設定する段階で持つ現状のセルフイメージに沿った判断をするものです。
コーチングにおけるゴール達成とは、現状のセルフイメージを乗り越え、成長・変革し、人生を今の自分から望むべき理想の未来と目的地へと移動をするものです。したがって、過去のセルフイメージを手放すことそのものですから、ゴール設定の段階で設けられた期限というのは、過去と現状の肯定、セルフイメージの固執になってしまい、大いなる成長と変革を阻害します。
また、「期限内にゴールを達成しなければ」というネガティブなHave-to感情を引き起こす可能性もあります。
コーチングによるゴール設定とは、「心からしたい」という内面から自発的に生じるWant-to感情によってのみ、真の潜在能力を引き出し、人生を存分に謳歌するものです。「しなければならない」というネガティブな感情と動機は、コーチングでは使いません。
Have-toな感情は、その人の頭の中に無意識に抵抗感を生じさせ、能力とパフォーマンスを著しく制限します。
期限設定とマインドとの関係について詳しくはこちら
④ ゴールは他人に言わない
ゴールはむやみに、他人に話してはいけません。
ゴールを他人に話すと、コーチングのゴール設定は「現状の外側」となるような突飛で壮大な目標ですから、大多数の人たちはあなたのゴールを否定してきます。
特に、身近な人やあなたをよく知る人ほど、親や家族や学校の先生などの否定的な反応は顕著です。
- 「無茶なことはやめなさい」
- 「もっと堅実に考えなさい」
- 「もっと安定した職業を選びなさい」
- 「人生にリスクを冒すべきではない」
- 「あなたにはもっとふさわしいやるべきことがあるはずだ」
- 「そんな目標に一体どんな意味と価値があるというのだ?」
これらの言葉は、あなたの夢や希望や目標を邪魔してくる「ドリームキラー」たちの典型的な発言です。
ドリームキラー対策は非常にシンプルです。「ゴールを他人に言わない」ことです。他人に言わなければ、ゴールを否定されることはありません。
また、他人にゴールを話してしまうと、「ゴールを公言してしまったのだから、達成しないといけない」などというゴールに対するネガティブな感情が生じる可能性もあります。
「しなければならない」というHave-to感情が能力や成果を制限してしまうことは前述しました。
名言集

すべての意味ある永続的な変化は内側で起こり、外側へと広がっていく。
あなたが想像することは、現実世界で実現できる。あなたが思い描くことができる夢は、叶えられる。
ルー・タイス(コーチングの創始者)
成功するために必要なことは、どこから始めるのかではなく、どれだけ高い目標を定めるかである。
ネルソン・マンデラ(政治家、弁護士)
私たちにとって最大の危機は、目標が高すぎて失敗することではなく、目標が低すぎて達成してしまうことだ。
ミケランジェロ(画家、建築家、詩人)
想像がすべて。それはやがてくる人生の予告である。
想像力は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込むからだ。
アルバート・アインシュタイン(理論物理学者)
絶えずあなたを他の何者かに変えようとする力の働く世界の中で、自分らしくあり続けることは、それは最も偉大なことだ。
ラルフ・ウォルド・エマーソン(思想家、哲学者、作家)
未来について分かっている唯一のこと、それは現在とは違うということだ。
未来を予測しようとすることは、夜中にライトをつけず、後ろを見ながら田舎道を運転するようなものだ。
未来を予測する最善の方法は、それをつくることである。
ピーター・ドラッカー(経営学者)
求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見い出すであろう。門を叩け、そうすれば、開けてもらえるであろう。
すべて求める者は得、捜す者は見い出し、門を叩く者は開けてもらえるからである。
新約聖書 マタイの福音書 第7章7~8節
世界中の素敵なノートたちをあなたのもとへ

自分の生きる道しるべ、人生の目的地、未来のあるべき姿、豊かさの真髄、それらはあなたにとって最も尊く、かけがえのないもののはずです。
あなたの真摯な想い、ゴールやアファメーションを思い描くには、あなただけの「こだわりノート」に書き留めてみてはいかがでしょうか?
心と気持ちを強く込めるほど、それらは潜在意識に深く刻み込まれ、人生のゴール達成をより確実なものにします。
世界中の素敵なノートたちをあなたのもとへ