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ビジネス・マーケティング

営業の基本とコツ、販売外交の極意② 営業の質と量とは?

前回の記事のつづきになります。

営業の基本とコツ、販売外交の極意について、さらに理論的な視点から営業をつきつめて解説していきたいと思います。

今回のテーマは、営業における”質”と”量”についてです。

営業における質と量


営業における”質”と”量”について考えてみたいと思います。

営業における質と量
  1.  営業の量 ⇒ たくさんの人に会うこと
  2.  営業の質 ⇒ 相手との信頼関係を築くこと

① 営業の”量”とは?

前回のブログで、できるだけたくさんの人に面会することの大切さについてご紹介しました。営業はタイミングだからです。

相手がどのような商品やサービスを望んでいるのか、そしてそれをどのような状況やタイミングで欲しているのかというのは、それは営業する側がマネジメントできるようなものではありません。

もし、こちらが売ろうとしているサービスを相手が欲していれば、それは売れる可能性が非常に高いと言えます。

しかし、相手が全く望んでいなければ、こちらがいかに工夫しようが、話し上手であろうが、売れることは非常に難しいと言わざるを得ません。

ですから、「営業はタイミングである」と断言できるわけです。

そうすると、どのようにしたら、そのようなタイミングの合致した営業や、商品やサービスのご紹介ができるのかというと、なるべく多くの人に会うしかありません。できるだけたくさんの人と直接会って、タイミングの合致した顧客や見込み客との出会いを見つけるのです。

これに関しては、量をこなすことが大前提としか言いようがありません。そして、その目安が「毎日4人の人と面会しているか?」ということなのです。

ライフィングコミット 杉本

できるだけたくさんの人と面会をすればするほど、需要と供給の一致した見込客との出会いにめぐり合える確率が、どんどん高まっていくようになります。

② 営業の”質”とは?

営業における”質”の方はと言うと、本質的にそれは「信頼関係」を築くことです。これも前回のブログで述べたことですが、この世の誰もさえが、嫌いな人からモノを買いたい人などいないからです。

極端な例を挙げれば、営業マンが自分の売上やキャリアを最優先し、売り込むことばかりに終始し、相手の状況や意向等を尊重しないような営業マンなど好かれるはずがありません。

私自身の経験で言うと、信じられない話かもしれませんが、私が以前、ある会員権の購入を真剣に検討していた時、営業マンからメールで挨拶の文章が送られて来て、「売上のトップを目指すので、ぜひ買ってください」と言ってきたことがあります。

誰でもシラけるに決まっています。「なんで僕があなたの成績のために、何百万円もする会員権を買わないといけないの?」と本気で思ってしまいました。元々はかなりのお気に入りの商品で、買う気満々でいた会員権だったのですが、そのたった一言のせいで、一瞬で買う気が吹き飛んでしまいました。

我ながら、言葉の影響力とは、本当に凄まじいものだと実感しました。


では逆に、どのような人が営業マンとして信頼され、好かれるのかというと、これには色々な表現方法があると思いますが、相手のメリットや利益を最大限に応援する人のことです。(後述しますが、”自己重要感を満たしてくれる人”という言い方もできます)

営業の極意
  1.  売ろうとしないこと
  2.  相手に喜んでいただくこと
  3.  笑顔を忘れないこと
  4.  相手の話や意向にしっかりと耳を傾けること
  5.  自分の話や説明は、相手に求められてからにすること

自分を真摯に応援してくれる人に対して、ネガティブな感情を抱く人など、この世にいません。これは営業に限らず、すべての分野の人間関係において通用する普遍(不変)の真理・法則です。

「モノを売り込むこと」と「相手を真摯に応援すること」との間には、真逆の関係が存在します。

  1.  モノを売り込む

     ⇒ 営業マン自身の利益を追求(利己的目的)


  2.  相手を真摯に応援する

     ⇒ 相手の利益を追求(利他的目的)

営業の量は質に転化する

上記のここまでの話は、前回のブログで概ね解説してきたことでもあります。ここから先は、さらに発展的な視点で、営業について考えていきたいと思います。

営業における”量をこなす”、すなわち、「できるだけたくさんの人に面会する」というのは、営業における”質”である信頼関係の構築に転化していきます。

これは営業における非常に重要な視点となります。

最も単純な理由としては、「何事も量をこなすと上手になる」というやや雑な説明の仕方もできますが、もう少し具体的に見ていきましょう。

① 営業の量は情報量に比例する


相手(顧客・見込み客)に対して深く知れば知るほど、営業は容易になります。

これはものすごく簡単な話で、相手をできるだけ喜ばせたり、心から応援することが信頼関係の本質であるのなら、「では、具体的に何でもって相手を応援し、喜ばせるべきか?」というのは最も大きな課題であり、それは相手をよく知らないことには、実際に行動を起こそうにも、どうしても限界が生じてしまいます。

その意味で、情報収集は営業における必須のスキルであり条件です。そして、その情報というのは、なるべく多くの人とたくさん会うようにすればするほど、自然に集まってくるようになるものです。

無駄な面会など存在しないということです。必ず何かしら、人と直接会うことによって、得られるものや学び、情報等があるはずなのです。

そうして得られた多くの情報によって、今度はどのようにしたら相手に対しより大きな喜びを与える提案や(商品やサービスの)紹介ができるか、あるいは、どういったタイミングで相手とアポイントを取ったり、相手との貴重な時間を有意義に活用すべきかということが、次第に見えてくるようになります。

② 話を聴く量は信頼関係に転化する

営業は売り込みの場ではないことは、今までに何度も述べてきたとおりです。そのように振る舞ってしまったら、誰でもその営業マンを遠ざけてしまうようになることは自明の理です。

それでは、具体的に何をするべき場所なのかというと、「相手を真摯に応援する」とか「相手を知るための場」とか、あるいは、「信頼関係の構築」「自分自身を売り込むための場」などという言い方もできますが、最も根本的に来るものは何かというと、「相手の話に真摯に耳を傾ける」ということではないかと思います。

これこそが、営業における最強のスキルとさえ言えるものでしょう。

  1.  売れない営業マン ⇒

     「売ること」に集中する(しゃべり続ける)


  2.  売れる営業マン ⇒

     「相手を喜ばせること」に集中する(聴き役に徹する)

営業マンが”聴き役に徹する”ことの意味には、2つの大きな役割が存在します。

一つめは、先ほどから何度も触れていますが、情報収集です。相手の話に耳を傾ければ傾けるほど、相手のことが理解できるようになります。

売り込みに熱心になって、しゃべり続けているうちは、絶対に相手の要望や本心など理解できるようにはなりません。しゃべればしゃべるほど、相手は興味のない(可能性の高い)話を無理に聞かされて、相手の気持ちは冷めていき、引いていく一方です。

もう一つは、相手の”自己重要感”を満たすことです。

じつは、人間が最も本能的かつ本質的に相手に求める欲求というのは、自分の存在を他人に認めてもらうことなのです。

そしてその自己重要感を満たす最たるものが、「相手に自分の話を真剣に聞いてもらう」ことなのです。

ライフィングコミット 杉本

ですから、相手の話に真摯に耳を傾けるほど、相手の自己重要感は満たされ、相手はこちらに対し好意を寄せたり、信頼関係を抱くようになります。

そしてまた、営業にとって非常に重要な”相手を深く理解する”ということにもつながっていきます。

人を動かす秘訣は、この世に、ただ一つしかない。自ら動きたくなる気持ちを起こさせることだ。人を動かすには、相手の欲しがっているものを与えるのが、唯一の方法である。

人は何を欲しがっているか。人間の持つ最も根強い衝動は、“重要人物たらんとする欲求”である。

デール・カーネギー 著「人を動かす」p32~33より引用要約

新聞の特別欄寄稿者で、書いたものが世界で最もよく読まれている一人だと言われているドロシー・ディックスは、つぎのようなことを書いている。

「世間に名前を売る近道はおしゃべりをすることではなくて、誰の言うことでも耳を傾けて聞いてやることだ。諸君がある人に向かってどんな話をしてみたところで、その相手が自分自身のことについて諸君に話したいと思いつめている事柄に比べると、その半分の興味も持たせることはできないものだ。彼が、魅力のある、そして好感のもてる男だという評判を得ようと思うならば、『あなたの話はすばらしく面白い話です、もっと聞かせてください』と相手に言うことが必要だ」

私はりっぱな座談の名人になろうとはもはや思っていない。ただ、いつも聞き上手になるということにのみ努力している。そして、これのできる人は、どこへ行っても、きっと喜んで迎えられることは間違いがない。

フランク・ベドガー 著「私はどうして販売外交に成功したか」p76〜77より引用

営業力をさらに加速する3つの秘訣

① 質問力と雑談力

相手とのより強い信頼関係を築くことは、ビジネスや営業の成否に直結する非常に重要な要素です。

そして、その最も前提に来るスキルとは、「聴き役に徹する」ことであるのは、前述したとおりです。相手のことを理解することに加え、相手の自己重要感を満たすからです。

この「聴き役に徹する」というのは、相手がどんどん話をしてくれるような人物の場合、こちらの心づもりと、あるいは、ある種の忍耐力さえ持ち合わせていれば、自然にできることです。

しかし、相手が普段からそれほど話すような仕事や環境にいない人の場合は、会話が途中で途切れてしまったり、「どのような内容やテーマでコミュニケーションを続ければいいのか?」という課題が生じてきます。

こうした場面で威力を発揮するのが、「質問力」と「雑談力」です。


雑談とは、相手とのコミュニケーションを高める場面において、欠かすことのできないスキルです。

もちろん営業の場合は、こちらが話したいことを一方的に話す場ではありません。相手の話に親身に聞き入る場面です。そうして、相手の自己重要感を満たし、円滑なコミュニケーションを図り、最高の信頼関係を構築していくのです。

ここでは、雑談を盛り上げるための秘訣と極意についてご紹介をしたいと思います。相手に気持ちよく話してもらうようにするための”魔法の質問と言葉”です。

営業や雑談における質問の極意
  1.  「○○さん、お休みの日は何をされていますか?」

  2.  「そのお話面白いですね。ぜひ聞かせてください!!」

人は、自分に興味を持ってくれる人に対して、自然に好意や信頼感を抱くものです。そして、休みの日というのは、多少の例外はあるでしょうが、概ね、誰でも自分が興味のあることや好きなこと、夢中になっていることや得意なことに時間を費やすものです。

ですから、休みの日の過ごし方について質問をすることで、相手が興味のあるものを知ることができ、それに対して親身に聞き入ることで、最高の雑談とコミュニケーションを図ることができます。

会話上手・話し上手というのは、「聞き上手」であり「質問上手」のことをいいます。

ライフィングコミット 杉本

相手に思いっきり喋らせることこそ、最強の雑談力です。

どんなほめ言葉にも惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聞き手には惑わされるものです。

自分のことばかり話す人間は、自分のことだけしか考えない。長年コロンビア大学の総長を務めたニコラス・バトラー博士は、それについて、こう言っている―

「自分のことだけしか考えない人間は、教養のない人間である。たとえ、どれほど教育を受けても、教養が身につかない人間である」

話し上手になりたければ、聞き上手になることだ。興味を持たせるためには、まず、こちらが興味を持たねばならない。相手が喜んで答えるような質問をすることだ。相手自身のことや、得意にしていることを話させるように仕向けるのだ。

あなたの話し相手は、あなたのことに対して持つ興味の百倍もの興味を、自分自身のことに対して持っているのである。

デール・カーネギー 著「人を動かす」p123より引用

相手の反対に対しては、絶対に反抗する様子を見せてはなりません。あくまで相手の意見を尊重しながら、しかも相手がこちらの立場を承認しなければならなくなるような質問をさりげなく相手につぎつぎと投げかけるべきです。

相手は、その質問に得意になって答えるはずです。第二の質問にも、第三の質問にも……。

そして最後には、まるで自分が初めから、あなたと同じような意見を持っていたと言わんばかりの結論に達します。もちろん、あなたのほうの誘導がうまくいけばの話ですが……

相手の意見には反対することなく、どこまでも質問をつづけることです。その質問に対する相手の回答は、だんだんとあなたの望む方向に近づいていきます。

そして、結論が出ます。相手はこの結論を初めから自分の考えていたものだと錯覚を起こすのです。だからこそ、自発的に行動したつもりになって、契約にサインをします。

フランク・ベドガー 著「私はどうして販売外交に成功したか」p38〜39より引用

② B to B と B to C

個人への営業と法人への営業は、営業の性質や目的がやや異なります。この違いを認識しておくと、営業力を高め、よりスムーズかつ効果的に加速させることができます。

  1.  個人(消費者)向け営業(BtoC = Business to Consumer)

     ⇒ 個人顧客の「消費効果」を高めるような営業


  2.  法人(企業・組織)向け営業(BtoB = Business to Business)

     ⇒ 法人顧客の「投資効果」を高めるような営業

個人(消費者)向け営業


個人や消費者とは、何を目的に商品やサービスを利用・購入するのかというと、「娯楽や個人的メリット」です。

顧客・見込客自身が個人的に欲しているものやありがたく感じるもの、楽しいことや生活がより豊かになるものなどが考えられます。

相手の個人的メリットを満たすような商品やサービスの紹介と提供が、個人向け営業の秘訣ということになります。

法人(企業・組織)向け営業


法人や企業組織とは、何を目的に商品やサービスを利用・購入するのかというと、「利益や投資的視点による費用対効果」です。

法人は、利益を生み出すことがその存続にかかわる非常に重要な要素となります。すなわち、利益や投資効果(費用対効果)をもたらさないような商品やサービスを利用することはありません。

法人顧客にとって、より多くの利益を生み出したり、サービスを利用するコストに比べてより多くの金銭的メリットがあるような商品やサービスの紹介と提供が、法人向け営業の秘訣ということになります。

③ 紹介という名の最強マーケティング

営業はタイミングが本質であることは、前回のブログで指摘しました。そして、より多くの顧客や見込み客への適切なタイミングを見計らうために、「できるだけたくさんの人に面会する」ことが営業の極意であることもご紹介しました。

お客様と商品やサービスとの千載一遇の出会い(というより”遭遇”)を上手にマネジメントすることこそが秘訣であり、営業の本質だったわけです。

さて、「なるべく多くの人たちに面会する」「ベストなタイミングを見計らった適切な営業と出会い」、これらを強力にサポートしてくれる何かしらのアプローチや拠り所があるすれば、それは営業マンにとってこれほどうれしいことはないはずです。

そしてじつは、そのような素晴らしい夢みたいな方法が、きちんと存在するのです。


その正体とは、「他人からの紹介」です。最強の営業・マーケティングとは、他人の紹介というのが、ここでの重要なポイントとなります。

あなたにも経験があるはずです。親しい友人や相談者などに薦(すす)められて、商品やサービスを購入したり、他人やその道のプロフェッショナルを紹介されたり、そうして満足な結果を得られた記憶と経験があるのではないでしょうか?

親しい友人や信頼している人からの紹介は、この上なく安心して商品やサービスに手を伸ばすことのできる大いなる動機ということです。

逆に、そのような人たちに、「あの商品はやめた方がいい」「あそこのサービスには嫌な思いをした」などと言われてしまえば、その商品の広告がどんなに目立とうが、営業マンが熱心に営業をかけて薦めてこようが、そのサービスは利用しない可能性が非常に高いと言えます。

これらを巷では、”評判”と呼びます。

他人からの紹介によって、あなたの商品やサービスを買ってくれる人が現れたとしたら、その他人の紹介とは、あなたの代わりに営業をしてくれたことになります。

他人からの紹介とは、最強の営業であり、最強のマーケティングなのです。

マーケティングとは、できるだけ多くの人に自分の存在や商品・サービスを知ってもらうこと、そして、自分の存在や商品・サービスをその人たちから忘れられないことです。

そうすると、「どのようにしたら、その評判をより良いものにしていくことができるか?」というのが、ここでの一番の課題となってくるはずです。

次回につづく