生活・環境・健康

【超重要】睡眠の秘訣 シンプルな10の安眠の極意

この記事では、睡眠の秘訣とその重要性について、できるだけシンプルに解説していきたいと思います。

安眠の重要性とは?


睡眠は人間にとって非常に重要な要素です。生命時間の1/3を費やし、能力やパフォーマンス、そして健康状態を最も左右するものです。睡眠とは最強の休息・回復であり、また最強のクスリでもあるのです。睡眠をおろそかにして、健康で幸福な人生を築くことは決してできません。

しかし、そのわりに、睡眠の秘訣というものは、それほど難しいものではありません。ちょっとしたコツと生活習慣を改善するだけで、劇的に質の高い睡眠を得ることができます。

成長ホルモンの分泌量が、病気の罹患(りかん)率・病気のかかりやすさに密接に関わっていることをご存知でしょうか?

怠惰な生活と睡眠を怠り、成長ホルモンが低下すればするほど、それに直接的に反比例して病気の罹患率は上がります。しかし、成長ホルモンを増やすことができれば、それだけ病気を遠ざけることも可能なのです。

成長ホルモンの3大要素
  1.  質の高い睡眠
  2.  適度な運動・有酸素運動
  3.  糖質過多を避け、血糖値スパイクと急激なインシュリン分泌を抑える

糖質過多・血糖値スパイクについてはこちら


睡眠の質チェック
  1.  朝起きてから午前10~11時頃に眠くならないか?

  2.  カフェインを摂取しなくても、午前中からしっかりと頭が働くか?

上記の2つの質問のうち、どちらもYESであれば、あなたの睡眠の質と量はしっかりと確保されていると判断してよいでしょう。

適切な睡眠時間の確保

睡眠において最も重要なことは、「睡眠時間の確保」です。

短睡(ショートスリーパー)の遺伝子を持つ人を除いて、人間の適切な睡眠時間とは7~9時間ほどということが科学的に明らかにされています。睡眠時間が6時間を下回る状態が続くと、脳と身体に疲れや疲労物質、つまり”睡眠負債”が溜まっていってしまうのです。

一昔前は、睡眠に最も重要なのは、睡眠の量よりも質で、「睡眠のゴールデンタイムとされる22~2時の間に眠るようにしなければならない」という説が有力でしたが、現在ではそれを否定する説や論文が出てきています。

多くの人は、仕事や余暇の時間を確保するために、睡眠時間を削ろうとする傾向にあります。しかしこれは、人生全般においてまったくの逆効果なのです。

睡眠時間を削ると、あらゆる能率やパフォーマンス、健康状態が低下するからです。それよりも、しっかりと睡眠時間を確保し、質の高いハイパフォーマンスな日常生活を送り、豊かで”濃い”人生を送るようにすることが、人生と睡眠の秘訣ということができるでしょう。


加えて、睡眠薬の服用は百害あって一利なしということも知っておいてください。

睡眠薬による強制的な眠りは、不自然な睡眠しか得られないからです。睡眠薬による眠りは、一番大きくて一番深い眠り(ノンレム睡眠)の脳波が欠けてしまうのです。すなわち、睡眠の質が極端に低下・悪化しているということです。

タンパク質を摂取する

安眠と熟睡に欠かせない睡眠ホルモンである”メラトニン”を充分に分泌させるためには、その材料となるタンパク質の摂取が欠かせません。

より正確に言うと、タンパク質を構成する必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」が、昼に分泌される覚醒ホルモンであるセロトニンの体内合成に必要不可欠で、また、セロトニンは夜になるとメラトニンに相互転換します。

現代の日本人、先進国の多くの人々は、炭水化物(米や小麦食品など)に偏った食生活や不適切な断食・ダイエットなどの影響のために、タンパク質の摂取がおろそかになりがちなのです。

タンパク質の摂取とは、決して難しいものではありません。身近なものでは、豆腐や納豆や味噌などの大豆食品、魚や肉類や卵など動物性の食材全般がタンパク質を多く含みます。

あるいは、人体に最も必要不可欠な栄養素であるタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル等をバランスよく豊富に含むナッツ類も特におすすめですし、バナナもトリプトファンが豊富です。


理想的な食生活について詳しくはこちら

カフェイン・アルコールを控える

すべての人に当てはまるというわけではないようですが、一般的に、カフェイン・アルコールは睡眠の質に悪影響を及ぼします。

ただ個人差もあり、例えばカフェインを寝る直前に摂っても、遺伝的に全く問題なくぐっすりと眠れるという人も全体の1割ほどは存在することが、ハーバード公衆衛生大学院などの研究で分かっています。

自分がどのような体質なのかを知るためには、実際にカフェインやアルコールを2~3週間ほど控えてみたとき、どれほどの体調に変化が起きるのかを自分で確認してみるしかありません。

ただ、一般論としてはやはり、カフェイン・アルコールは睡眠の質に悪影響を及ぼし、睡眠ホルモンや成長ホルモンの分泌量を減らし、疲労回復や自然治癒力を低下させてしまいます。

カフェインには”半減期”というものがあって、例えばコーヒー1杯でカフェイン100mgを摂ると、その6時間後には体内のカフェイン量は半分の50mgになります。

そして、またさらに6時間経つと、体内のカフェイン量はさらに半分の25mgになります。カフェインは、摂取してかなりの時間が経過しても、体内には残っていることになるのです。

カフェインは強力な覚醒物質で、じつは精神刺激性がかなり強く、体内のあらゆるホルモン・神経伝達系の過分泌・過亢進を適切に制御するストッパー役のアデノシンという疲労物質・睡眠物質の働きを抑えてしまいます。すると、ブレーキがかからなくなることで体内の代謝と活動が過剰になり、睡眠の質は低下し、こうしてカフェインは身体への負担と消耗を悪化させてしまうことになるのです。

メンタル疾患を悪化させる別のボスキャラにカフェインとアルコールがあります。あまりにも生活に溶け込んでいるため、「大したことない」と多くの人が思っていることでしょう。

とくにカフェインについては最近では子どもにとっても日常的なものになってきています。コーヒーだけではなく、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、コーラ、ドリンク剤にもカフェインは含まれています。

(中略)

カフェインは栄養の吸収率にも影響します。カフェインによって生じる交感神経の興奮は「戦う」状態です。一方、食べるということは外部のものを内部に取り込む行為です。カフェインを摂りながら食事をすると、戦闘モードでゲストを自分の家に招こうとするようなものです。くつろいでもらえません。つまり、交感神経興奮状態では、消化吸収機能がうまく働かないのです。

栄養の消化・吸収をしっかりおこなうためにも、カフェインはやめるべきでしょう。緊張や不安、イライラ、不眠などの症状も悪化させます。

カフェインやアルコールは薬やサプリメントの効きを悪くします。メンタル疾患の治療中に改善していた患者さんの症状が不安定になってきたときは、精神的なストレスだけでなく、カフェインやアルコールを再開していないかを必ず確かめるようにしています。かなりの確率で「じつは最近少し飲んでいました」という話が出てきます。

(中略)

アルコールは少量でも睡眠の質を確実に悪化させるということです。そしてビタミンB群、ナイアシン、亜鉛という重要な栄養素がアルコールの分解に大量に使われてしまいます。集中力、意欲、性欲、生殖能力も落ちます。活性酸素の発生により、酸化ストレスもかかります。抗酸化のためにビタミンC、Eなども消耗します。

アルコールもカフェインも短期的にも長期的にも私たちのからだに悪影響を与えます。これらを習慣化しないことは、健康にとても有意義なことであることを理解してください。

(中略)

前述しましたが、不安・緊張を主体とする疾患(不安障害、うつ病、統合失調症など)すべてに対してカフェインは有害です。長年、精神科医をしていて、カフェインを徹底して避けるとこれら記疾患の安定度がまったく違ってくることを断言できます。

飯塚浩 著「メンタルを強くする食習慣」p74~79,257より引用

食事は睡眠2時間前に済ませる

夕食(夜食)後、すぐに睡眠に入ろうとすると、睡眠の質が極端に低下します。理由は単純で、胃腸がフル稼働している状態では安眠はできないからです。

この対策は非常にシンプルです。食事は睡眠2時間前、できれば3時間前には済ませておくことです。

胃が空っぽの状態でこそ、休息や睡眠は捗(はかど)るのです。

PC・スマフォ・運動は睡眠前2時間は避ける

パソコンやスマートフォン・液晶テレビから発せられるブルーライトや強烈な光刺激は、自律神経を刺激して覚醒を促してしまい、睡眠ホルモンの分泌量を下げたり、体内時計に狂いを生じさせ安眠を妨害します。

人間の体内時計や自律神経の活動というのは、身の回りの自然環境、特に光刺激に対して敏感に反応して働くようにできているのです。

この対策も非常にシンプルで、睡眠前の2時間は、PC・スマフォ・テレビとの距離を置くようにすればいいだけです。いわゆる、「デジタル断食」と呼ばれるものです。

スマフォは電源をオフにしたり、寝室に持ち込まない、カバンの中にしまい込むなどの工夫が効果的です。

元グーグルのプロダクトマネジャーでデザイン倫理学者のトリスタン・ハリス氏は、スマフォ中毒を克服するために、スマフォの画面をモノクロにすることをすすめています。

画面をモノクロにすることで、多くの誘惑や脳への快楽刺激から解放されるからです。

スマフォは、テレビやパソコンに比べて目に対する距離が非常に近く、また画面を凝視するため、目や網膜、特に色を認識する錐体細胞を酷使します。

そもそも人間とは、液晶画面という発光体を長時間凝視するような、自然界にはない不自然な行為に対して、耐性を持ち合わせてはいません。

人の遺伝情報や体の構造は、10万年以上前とほとんど変わっていないと考えられていますが、テレビのブラウン管や現代の液晶画面は、ここ数十年の間に急速に普及したものだからです。


また、睡眠前の運動もよくありません。パソコン・スマフォ同様、身体の覚醒を促してしまい、睡眠に向かうはずのホルモンバランスを崩してしまうからです。

パソコン・スマフォ・運動は、睡眠前は控えるようにしましょう。

寝室環境の防音・遮光

人間は、睡眠中でも小さな光や音に脳が敏感に反応し、安眠を阻害されてしまいます。現代、特に都市部は社会環境によって、夜でも雑多な音や光に満ち溢れています。

睡眠時は、できるだけ音や光を遮断する工夫が安眠には非常に効果的です。

夜寝るときに部屋の電気をつけっぱなしというのは論外ですが、外からの音や光を遮断するために、窓をきちんと閉めたり、厚い遮光カーテンをつける、スマフォはきちんと電源を切るか寝室に持ち込まないなどの、できるだけ静かで安寧な寝室環境を心がけましょう。

もちろん、試してみて気にならなければ、アイマスクや耳栓を活用するのも非常に効果的です。(耳栓は、スポンジタイプだと痛くなくて気になりません)

「睡眠を改善するアイテムはなにか?」という疑問について調べたコクラン共同計画のレビュー論文でも、耳せん、アイマスク、マッサージ、アロマテラピー、リラックス音楽の中で効果が認められたのはアイマスクと耳せんだけでした。それ以外の方法については、はっきりしたデータが出ていません。

アイマスクと耳せんを同時に使うと、睡眠中のストレスホルモンが下がり、逆にメラトニンの量が増えていきます。アロマやマッサージのリラックス効果を否定するわけではないものの、現時点ではこの2つを使うのが確実です。

鈴木祐 著「最高の体調」p157より引用


また、夜寝る前の時間についても、部屋の電気をあまり明るくつけっぱなしでいると、自律神経が刺激され、身体は入眠に向かうための準備ができなくなってしまいます。

「自然界のリズムと摂理にしたがった生活環境が理想的」ということになりますが、夜、特に寝る前はあまり電気を明るくしないようにしてください。

こうすることで、私たちはスムーズかつ自然に、睡眠と安眠に入っていくことができます。

電磁波を避ける

前述の光や音と同様に、電磁波も安眠を阻害します。

例えば、エアコンのリモコンやデジタル電波時計や携帯電話などを枕元に置いて寝た場合と、枕元には何も置かない状態とで、翌朝の寝起きを確認してみて下さい。熟睡間の違いに驚くはずです。

それほどまでに電磁波というのは、人体に影響を及ぼしたり、脳の活動を妨害するのです。

電磁波のエネルギー強度というのは、「距離の2乗に反比例」します。

発生源が2倍離れると電磁波強度は1/4になり、発生源が4倍離れると強度は1/16に弱まるということです。

ですから、電磁波の悪影響を抑えるためには、できるだけ電子機器や電磁波の発生源を枕元から遠く離すことが大変効果的になります。

熱い風呂に入らない

睡眠前、熱いお風呂に入る人がいます。熱い湯舟は、自律神経や交感神経を刺激し、安眠に向かうはずの身体の準備である、体内バランスやホルモンバランスを崩してしまいます。

朝風呂なら全く問題ありませんが、夜にお風呂に入る場合は、自律神経(交感神経)を極端に刺激しないように「ぬるめのお湯」に浸かる。38℃以下のお湯であればリラックスできる副交感神経を優位にし、理想的で

空気清浄器を設置する

寝室は、睡眠中に酸素不足にならないように換気を徹底し、そしてできるだけ性能のよい空気清浄器を設置することは、じつは安眠と健康日常の集中力・パフォーマンスを高めるうえで非常に効果的です。

人間は、空気が汚れていると、その汚れを体内に入れまいと呼吸が浅くなります。呼吸が浅くなれば、それだけ体内の酸素量は減ってしまい、代謝や睡眠ホルモン・成長ホルモン等の分泌量が低下し、免疫力や回復力(自然治癒力)落ちます。

寝室の空気清浄器は、生活の質を劇的に高める投資となります。できるだけ性能のよいもの、「HEPAフィルター」を装備しているものが理想的でしょう。

HEPAフィルターとは、「High Efficiency Particulate Air Filter」の略です。

JIS規格で「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と規定されています。なお、1μmとは0.001mmのことです。

自然に触れる

人間の生命活動を支える自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2つがあります。この2つが、シーソーのように適切にバランスを取ってはじめて、人体は正常で健康的な生命活動を維持できるようになっています。

2つの自律神経
  1.  交感神経(アクセル役) ⇒ 緊張・興奮・血管収縮
  2.  副交感神経(ブレーキ役) ⇒ 休息・リラックス・血管弛緩

ところが、現代人はめまぐるしい社会環境の変化や多様なストレス、近代化と科学技術の発達などの影響で、休息やリラックスを司る副交感神経の働きが低下し、極度の緊張状態にさらされてしまっています。

これでは、副交感神経が十分かつ適切に働かず、休息やリラックスができなくなり、睡眠の質も極端に低下してしまいます。


じつは、副交感神経の働きを最も活性化してくれるものが、「自然」です。自然に触れるだけで、人間は副交感神経が優位になり、休息やリラックス、そして回復を促してくれるのです。

それが例えば、週1回に30分ほど近くの公園や自然に触れるというだけでも効果があるのですから驚きです。あるいは、室内に自然に関わる絵を飾ったり、パソコンの背景に自然を写すというだけでも効果があることが分かっています。

無理のない範囲で、できるだけ自然に触れるようにしていきましょう。たったこれだけの習慣が、健全な精神と肉体に非常に大きな喜ばしい影響を与えてくれます。

  •  近くの公園に散歩や読書に行く
  •  室内に自然に関わる絵を飾る
  •  パソコンやスマフォの背景・壁紙を自然にする
  •  観葉植物を育てる(デスクに飾る)
  •  休日はキャンプや山登りや海などに出かける、大自然に触れる


たとえばアムステルダム自由大学の実験では、60人の学生に複雑な数学の問題を解かせて精神的なストレスをあたえた後、半分には緑が豊かな公園の写真を5分だけ見せ、残りには一般的な都市の光景を眺めるように指示。それから全員の自律神経を計測したところ、公園の写真を見た学生は2倍も副交感神経が活性化し、心拍数も有意に低下していました。

自然の写真を5分ほど眺めるだけでも、かなりのリラックス効果が得られるようです。

(中略)

クイーンズランド大学が2016年に行った研究では、1538人のオーストラリア人を対象に、全員が1年のあいだに公園などで自然と触れ合った量を調べたうえで、鬱病や高血圧の発症率とくらべました。

そこでわかったのは、思ったよりも簡単に自然のメリットが得られるという事実です。具体的な数字を紹介しましょう。

・ 鬱病の場合は、週に1回30分ほど自然のなかにいれば、自然とのふれ合いがない人にくらべて発症リスクが37%も低下する

・ 高血圧の場合は、週に1回30分のラインを超えたあたりから症状が改善していく

これらの数値は自然の接触時間とほぼ連動しており、公園に行けばいくほど心と体は改善していきます。

(中略)

ここから先、どこまで日々の暮らしに自然を取り込むかはあなた次第です。キャンプ、釣り、トレイルランニング、山登り、トレッキングなど、自然とふれ合うアクティビティを増やすほど、あなたの体内の炎症は鎮まっていきます。

いまの研究レベルでは「どれぐらい自然のなかで過ごすのが最適か?」という疑問に答えは出せないため、最終的には自分のライフスタイルを崩さない範囲で、自然との接触レベルを最大化していくのが答えになるでしょう。

鈴木祐 著「最高の体調」p119~125より引用

まとめ

  1.  睡眠時間を7~8時間はしっかりと確保する
  2.  タンパク質を摂取する
  3.  カフェイン・アルコールを控える
  4.  食事は睡眠の2~3時間前に済ませる
  5.  PC・スマフォ・運動は睡眠前2時間は避ける
  6.  寝室環境の防音・遮光(睡眠前は電気を明るくしない)
  7.  睡眠時は電磁波・電子機器を遠ざける
  8.  睡眠前に熱い風呂に浸からない(38℃以下が理想的)
  9.  寝室に空気清浄器を設置する
  10.  できるだけ自然に触れる時間を作る