手元にもし1億円があったとしたら、あなたは何にどう、そのお金を使いたいですか?
それがあなたのゴール設定、あなたの真実のゴールの世界観になるかもしれません。
現状にとらわれないゴール設定

コーチングにおける目標やゴール設定は、過去や現状に一切とらわれず、自由にのびのびと心から望むことを「Want-to」で設定することです。
しかし、リソースや資源や達成方法の心配、現在の状況やセルフイメージに見合った判断、スコトーマの原理によって、ついつい現状に足を引っ張られてしまいがちです。
スコトーマ(心理的盲点)についてはこちら
そこで、手元に自由に使えるお金が、もし「1億円」あったら、あなたはそのお金を何にどう使いたいかを自由に想像してみましょう。
そうして、自分にとっての理想的な世界観について、イメージをどんどん膨らませていきましょう。
あなたの目の前には、1億円の現金があります。自由に使って大丈夫です。
あなたは何をしますか? 何にそのお金を使いたいですか? まずは10個書き出してみましょう。
できれば、100個くらいを目安に書くのが理想です。ゴールの世界がよりリアルで明確になり、頭の中のリアリティに圧倒的な変革が訪れるからです。
ゴール達成の秘訣とは、ゴールの世界のリアリティです。
脳や潜在意識には、「目標達成のための自動操縦機能」があらかじめ備わっていて、頭の中により明確で具体的なイメージを描けば描くほど、それがリアルであればあるほどに、その目標に向かって脳は本気で働き出すという特性があります。
脳内のリアリティさえ変われば、リアリティがゴール側に移行すれば、今の「現状の自分」に足りないものを脳は自動的に探し出してくれるのです。
企業経営や組織、実業家・投資家の方の場合においても同様です。
組織の場合は個人と比べてスケールや動くお金の大きさ、投資規模がまったく異なりますから、1億円で足りなければ、10億円、100億円と桁を上げて額を増やして考えてみてください。
組織のゴール設定についてはこちら
あなたが心の中に思い描くイメージは、あなた自身や身の回りのすべての環境と世界を創り出しているのです。
あなたは今、どのような突拍子もない、理にかなっていない目標やビジョンを持っていますか?
あなたは本心では、何がほしいのですか?
セルフイメージとリアリティが人生を決める

人は頭の中のイメージに従った身の回りの環境と世界を構築し、創造しようとします。それは「セルフイメージ」といって、潜在意識の中に蓄積され、人間はセルフイメージどおりの人生を送ります。
潜在意識の中のイメージですから、それは”意図的な”意識とともに、そのセルフイメージどおりの世界を実現しようとするわけではありません。”無意識的”にセルフイメージどおり人生を歩むのです。
ですから、セルフイメージとは、自動操縦装置そのものと表現することができます。
自分にとって理想的なセルフイメージを構築し、それを適切に潜在意識の中に取り込むことができれば、あとは勝手に、理想的な人生を送ることができるのです。
「あとは勝手に」というと、夢物語のように聞こえるかもしれませんが、真実です。潜在意識には、そのような働きと役割が現実に起こり、認知科学をはじめ、多くの研究や長年のコーチングの経験と実績によって証明されていることです。
では、どうやって潜在意識に対して、適切なセルフイメージを刻み込むことができるのかということが課題になってきますが、それは、「頭の中に明確なイメージを描き、そのリアリティを強化する」ことです。
明確で理想的なゴールの世界を思い描き、それを定期的に思い返し、復習することです。
「明確さ」というのは非常に重要なキーワードで、力のある目標ということができます。潜在意識は、明確さの伴わない目標を真の目的地とは認識せず、スルーしてしまうからです。
この点に関して、コーチングの創始者であるルー・タイスは、次のように言います。
「明確さ」と「思いの強さ」と「繰り返し」によって、頭の中のイメージが変わり、コンフォートゾーンがゴール側に移行し、物事がそうあるべき新しい感覚が生まれます。
ルータイス 著「アファメーション」p210より引用

心理学者、米国自己啓発界、能力開発の世界的権威、コーチングの創始者
アメリカ・ワシントン州生まれ
ところで、人はとりわけ、明確で高いゴールやイメージを思い描くことに対して、恐怖心を抱き、躊躇します。この傾向は、社会人経験が豊富であったり、ある程度の年齢を重ねた、いわゆる常識人に対してより顕著に見られます。
- 「そんなの無理に決まっている」
- 「それをするお金がどこにある?」
- 「もっと冷静に身の回りを見なさい」
- 「現実的に考えなさい」
- 「いつまでも夢みたいなことを考えているんじゃない」
- 「そんなことでは食べてはいけない」
- 「危険だ、リスクを伴う、やめなさい」
これらの言葉は、良識的で常識的な人たちの間でよく聞かれるものです。
彼らは、決して意地悪でもなければ、非常識なわけでもありません。ある意味、真っ当なのです。
しかし、その”真っ当さ”ゆえに、彼らは真のゴールを自由に思い描けなくなってしまい、一度きりの人生を自ら束縛し、制限し、閉ざされた世界に自分を追いやります。
これは社会的な風潮や文化もありますが、より本質的には、「マインドの使い方に関する正しい知識を持っていないから」「マインドに関する重要な見識を身につける機会に恵まれなかったから」と言わざるを得ません。
また、良識的な人々が、自由で壮大なゴールを思い描くことができない背景において、最も大きな位置を占めるのが、”お金”です。
お金の心配が心の奥底をよぎり、「そんなに簡単に大きなお金なんて、手に入るはずがないんだから」と自分で自分に言い聞かせ、限りない自らの創造性と潜在能力に蓋をしてしまい、心理的盲点を築き、自分自身の創造力に制限をかけてしまいます。
この状態で、真のゴール、志の高い使命と目標、そして、明確でリアリティあふれる輝かしい世界観など、思う存分に描けるはずがありません。
こういった心の牢獄と現状維持を乗り越えて凌駕し、想像力を解放し、自分にとって「真実のゴール」を思い描く手助けをすることが、本日のワークの真意と目的になります。
名言集

何でも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。
新約聖書 マルコの福音書 第11章24節
人間は、心に描き、信じることができることは、何でも実現できる。
ナポレオン・ヒル(成功哲学の提唱者)
私の人生は楽しくなかったの。だから私は自分の人生を創造したの。
ココ・シャネル(ファッションデザイナー)
自分の将来を予見する最も良い方法は、自分でその将来をつくり出すことである。
スティーブン・コヴィー(経営コンサルタント)
運命は偶然ではない。選択だ。待ち望むものではなく、自分から進んでつくっていくものだ。
ウィリアム・ブライアン(政治家、演説家)
欲は全ての進化と向上の源泉である。欲を押さえつける必要など少しもない。
求めれば求めるほど愉快になり、楽しくなるのが本当の欲である。
しかも、人の喜びが自分の楽しみとなるものが最も尊い。この尊い欲の炎をもっともっと燃やすことである。
中村天風(思想家)
マインドはすべてのものを形づける偉大な力である。人はマインドである。想いの道具を手にとり、志すものを形づけていくのである。
そして、それを通して一千の災いも、一千の喜びも自分の身に引き寄せる。心に密かに抱いた想いは、現実となって現れる。あなたの周囲の状況は、あなたの心を映し出す鏡にすぎない。
ジェームズ・アレン(作家)