あなたにとって“憧れの人”、その人となりの人柄やあり方をよく観察してみましょう。
彼らの存在はあなたにとって大いなる学びと刺激になり、あなたのビジョンやゴール設定をより加速させてくれるはずです。
ワークの目的

コーチングのスタートアップとは、何と言っても「ゴール設定」です。過去や現状に一切とらわれない自由でのびのびとした発想の下で、自ら積極的にゴール設定を行っていくのが正しいコーチングのやり方です。
- ゴールは「現状の外側」に設定する
- 心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する
- ゴールは人生の各方面にまんべんなく設定する(バランスホイール)
※ 「現状の外側」のゴールとは、現在の延長線上の未来には到底起こり得ない、自分が大きく変わらない限り、絶対に達成できないような遠く高いゴールのことです。達成方法が現時点ではまるで見えないゴールです。
しかし、こうした現状の外側に向けたゴール設定というのは、言うほど簡単なことではありません。人間には認知の限界があって、現状のセルフイメージから外れた世界を見たり、情報を認知したりすることが、なかなかできないようになっているからです。
コーチングの体系においては、セルフイメージの外側にある、この見えなくなった心理的な盲点のことを「スコトーマ」と呼び、見えなくなる現象のことを「スコトーマの原理」といいます。
そこで、ここで紹介するワークは、「憧れの存在」を調査し、彼らのあり方や特徴、行動をよく観察し、ゴール設定の参考にしてみようという試みです。
スコトーマを外すきっかけとするために役立つワークとなります。
ワーク: 憧れの存在を真似る

- あなたにとって、憧れている人、成功している人、目標としたい人物は誰ですか?
- その人達の特徴や行動、目標や習慣、言葉や口癖を、最低10~20個以上は書き出してみてください。
- あなたは他人からどう思われたいですか? どのように見られたり、言われてみたいですか?
- 上記を参考にして、これからあなた自身が身につけたい自分自身の在り方や習慣、目標、セルフイメージ等を自由に書き出してみましょう。
- 上記を参考にして、アファメーションを書き出してみましょう。アファメーションは毎日朝晩、声に出して丁寧に読み上げましょう。
アファメーションの書き方について詳しくはこちら
ワークの解説

コーチングにおけるゴール設定というのは、遠ければ遠いほどよいとされています。
ゴールが近いと、潜在意識はすぐに達成可能なゴールとして認識してしまい、本気を出そうとはしてくれないからです。これでは、マインドに隠された潜在能力を引き出し、無意識の本当の力を解き放つことはできません。
潜在意識が本気を出すか出さないかは、もしかしたら、今のあなたにとってはあまり興味のないことかもしれません。しかし、それでは、たった一度きりの貴重な人生を、存分に謳歌することはできないでしょう。
潜在意識とは、とかく、現状維持に徹し、より安全に自らの生命を生き長らえさせようとする本能が最も強く働くからです。
人生をより実りのある活気と変化と刺激に満ちた、ワクワク輝かしいものにするためには、「現状の外側」に設定したゴールが必要なのです。
それがコーチングにおける最も重要なエッセンスとなります。
- ゴールは「現状の外側」に設定する
- 心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する
- ゴールは人生の各方面にまんべんなく設定する(バランスホイール)
ゴール設定を今の自分より遠く離れた高いものにする場合、次に課題となってくるのが、「ゴールの世界のリアリティ」です。
潜在意識は、明確な目標でなければ、それを真の目的地として認識せず、目標に向かおうとはしてくれません。明確でない目標は、私たち自身にとっても、脳や潜在意識にとっても、ピンとこないのです。
潜在意識にとって「明確さ」とは、マインドに与えるエネルギーであり、力であり、活力そのものです。
明確な目標をリアルに頭の中に思い描くことで、潜在意識はその世界を明確な目的地としてしっかりと認識し、結果として、私たちは無理なく自然で確実に、ゴール達成へと向かうことができます。
しかし、今の自分より遠く離れたゴールであればあるほどに、その世界を明確にリアルに思い描くのは、どのような人にとっても難しいものになってしまいます。そのようなゴールの世界を、私たちは未だかつて未経験だからです。
知らないことを明確に、そしてリアルに思い描くことなど、ゴールの内容にもよりますが、普通はなかなかうまくできません。
その一方で、ゴールの世界に明確さが伴わなければ、潜在意識はその持ち得る普段は脳の奥底に隠され、しまい込んだ力とエネルギーを引き出そうとはしません。
この矛盾的な課題をいかに上手に乗り越えるかが、コーチングの成功を左右する最も大きな分かれ目になると、私は考えています。
このページで紹介する「憧れの存在を調査する」ワークは、その矛盾を解決するひとつの糸口となるものです。
憧れの存在であったり、自分がひとつの理想とする、あるいは、ロールモデルとしたい人物を模範として、ゴールの世界のあるべき自分の姿をより具体化し、リアルにしていくことができます。
憧れの存在である彼らをよく観察しましょう。最良の手段は、その人たちに直接会いに行くことです。
例えば、過去の偉大なる偉人や賢人を模範としたい場合、それは本や伝記や伝え聞いた話などを拠り所とするほかありませんが、もし理想とする人物が今現在、存在しているのであれば、絶対に会いに行くべきです。
今の時代、映像などでその人物をすぐに見られるからといって、会いに行くチャンスを放棄してはいけません。直接会うことには、この上ない臨場感と、気づきと学びがあるものです。”肌感覚”こそが、最上のリアリティなのです。
そして、その理想とする人物たちをよく調べたり、観察していくと、彼らの秘密が次第に明らかになり、明確に見えてくるようになります。
そのエッセンスをゴール設定するのです。その中には、些細なものもあるかもしれませんし、途方もないこともあるかもしれませんが、人生の壮大なゴール設定なのですから、まったく問題ありません。
そこは躊躇せずに、アグレッシブにゴール設定していく姿勢が大切です。
ロールモデルという存在は、この上ない糧と学びと目標のひとつです。
彼らは人生をかけて、生涯を通して、その人物像と人格を長い時間の淘汰と切磋琢磨の中で磨き上げてきたはずです。
それらのエッセンスの一端を自らに積極的に取り入れていこうとする意識と意欲と信念は、間違いなく、あなたに大いなる成長と変革のチャンスを与えてくれるに違いありません。
時間をかけて、丁寧に丁寧に、上記のワークに取り組んでみましょう!!