こんにちは!!
ライフィングコミットの杉本浩章(Twitter:@lifingcommit)です。
この記事では、「スコトーマの外し方」について解説をします。
スコトーマとは、「心理的な盲点」を意味する言葉です。人は、自分にとって重要なものはよく見えますが、そうでないものはスコトーマに隠れ、見えなくなります。
スコトーマは、あなたの人生を幸福・豊かにもするし、制限や束縛もします。スコトーマを知り、スコトーマの外し方を学び、人生を飛躍・加速させていきましょう!!
スコトーマとは?

スコトーマとは、「心理的な盲点」のことです。
人は、「自分にとって重要なこと」はよく見えるし、知覚や認識が容易ですが、自分にとって重要でないものはスコトーマに隠れ、見えなくなります。
ひとつ例を挙げましょう。
あなたは、今日一番に見たクルマを覚えていますか?
ほとんどの方は、全く記憶にも残っていないことでしょう。それは、あなたやあなたの脳が、「今日のクルマ」について重要に考えていないからです。そこに重要性を認識していないからです。
人間の脳は、今の自分にとって重要なことや緊急性の高いもの以外は、自然に見えなくなるようにできています。
もしあなたが、ファッションに非常に強い興味・関心を抱いていたり、ファッションの重要性を強く認識していると、例えば電車に乗っていたときに、車内のファッションに関する広告に対して自然に目が行くようになります。
書店やコンビニに入ると、ファッション雑誌に自然に足が向かうことでしょう。
あるいは、東京ならファッションの街である銀座や表参道、渋谷や原宿などに頻繁に赴いたり、興味を惹かれるかもしれません。パリやミラノについて熱心に調べたり、海外旅行を計画するかもしれません。
このようにして、人(の脳や潜在意識)は、「自分に重要なもの」を受け入れ、認識し、追い求めるようになるのです。
一方で、ファッションに興味のない人は、目の前に素晴らしいデザインのものやファッションに関連するものがあったとしても、見向きもしませんし、視界にも全く入りません。
これを「スコトーマの原理」と呼びます。
スコトーマの原理や脳のカラクリについて詳しくはこちら
人生を決定づけるスコトーマの原理・原則
① スコトーマの原理とは?

上記のスコトーマの原理がなぜ、人生の幸福や豊かさ、成功などに深く関係するのかというと、すぐ目の前に幸福や豊かさ、成功までのヒント、理想の人生に向かうための方法論や道筋等があったとしても、マインドの使い方や働き方ひとつで、それが見えなくなってしまう危険性をはらんでいるからです。
素晴らしい人生への創造性や理想の将来に対して、私たちはスコトーマを築いてしまう可能性があるということです。マインドの上手な使い方が重要なのは、このためです。
本当はすぐ目の前に自分に役立つ有意義な情報があったとしても、それがスコトーマに隠れ、見えなくなってしまうようなことは、じつは私たちの認知活動にはよく起こりがちなことなのです。
ですから私たちは、タイトルにあるように「スコトーマを外す方法」について学ぶ必要性と価値が生じてきます。
そもそも、スコトーマとはどのような原理・原則で生じているのかというと、人間の認知とは、「自分にとって重要なもの」はよく見えて認識できますが、自分にとって重要でないものはスコトーマに隠れて見えなくなるということは、先ほどご紹介した通りです。
しかし、これは分かりやすく表現した、いわばスコトーマの初歩的な原理と説明の仕方であって、より本質的に解説をすると、以下のようなスコトーマの原理・原則が私たちの脳には存在します。
- 人間は、自らのセルフイメージやコンフォートゾーンに合致したことを認識できる
- 人間は、自分のセルフイメージやコンフォートゾーンに合致しないものはスコトーマとなり、見えなくなる
- コンフォートゾーンとは、マインドや潜在意識にとって慣れ親しんだ世界や領域のこと、その領域と境界はセルフイメージによって決まる
- 「自分にとって重要なことが見える」というのは、より正確に表現すると、「自分のセルフイメージに対して重要なことや合致したことが見える」ということ
- スコトーマが生じる内容と領域とは、セルフイメージ次第であって、コンフォートゾーンの領域がスコトーマの領域を決定する
コンフォートゾーンについて詳しくはこちら
② エフィカシーやセルフイメージが低い人の問題点

上記のスコトーマの原理・原則が理解されると、当然のこととして、以下のようなマインドのカラクリと働き、問題点等が明らかになってきます。
- セルフイメージが低いと、コンフォートゾーンが低く狭くなり、その分スコトーマの領域が増えて、将来の可能性や創造性に蓋をする、見えなくなる
- エフィカシー(自負心・能力の自己評価)が低いと、セルフイメージが下がり、やはりスコトーマが増えて将来の可能性を見失ったり、ゴール達成を困難にする
- エフィカシーやセルフイメージの低さ
⇒ スコトーマの増大
⇒ ゴール設定やゴール達成の意欲と可能性の幅を狭める - エフィカシーやセルフイメージが低いと、それらに合致したネガティブなセルフトークが蔓延し、望ましいセルフトークがスコトーマに隠れ、ますますセルフイメージと将来の可能性を現状という牢獄に閉じ込める
※ セルフトークとは「自分自身に語りかける言葉」のこと - スコトーマと、「セルフイメージ」「コンフォートゾーン」「エフィカシー」「セルフトーク」は、それぞれ相互に作用し、密接に影響し合い、そうしてマインドの働き方と”見えるもの”が決まったり、成果やパフォーマンスを決定する
平均的な人と高パフォーマンスの人(つねに運を切り開いているように見える人)の唯一の違いは、高パフォーマンスの人は異なる考え方をするため、もっと多くのものが見えているということです。
ただし、自分の能力や可能性について間違った信念や疑わしい信念が蓄積されると、それがそのまま行動に現れてしまいます。
スコトーマがあると、見たいものだけを見させ、聞きたいものだけを聞かせ、考えたいことだけを考えさせます。
一つの意見・信念・態度に縛られると、自分の信じることと矛盾するものに対してスコトーマを築きます。ものを見るときに先入観にとらわれ、何をするにも習慣にとらわれます。
スコトーマは変化や柔軟な思考や創造性を阻害します。これらのものは、私たちに情報を選別して集めさせるからです。
ルー・タイス(コーチングの創始者)
エフィカシー・セルフトークについて詳しくはこちら
スコトーマの外し方とは?
人生を豊かにするためのスコトーマの外し方とは、上記のスコトーマの原理を学ぶと、容易に理解することができるようになります。
「スコトーマを外す」(スコトーマの領域を変える)ためには、セルフイメージやコンフォートゾーンを変えたり、高めさえすればそれでいい。
① エフィカシーを高める

じつは、コーチングにおいて、「エフィカシーを高める」という言葉以上に、より本質的でかつ重要なことはありません。コーチングとは、「ゴールを設定し、そのゴールを実現するためのマインドの上手な使い方」のことをいいます。
なぜなら、ゴールを達成できるのは、「自分はゴールを達成できる人物だ」などという自信や確信、自負心が高いからこそセルフイメージも高まり、スコトーマが外れ、実際にゴール達成への道のりが切り開かれていくからです。
他方、ゴール設定においても、エフィカシーやセルフイメージが高いからこそ、「高いゴールを設定しよう」「そしてそれを実現しよう」という意欲が湧き起こり、またスコトーマが外れ、”自分にとっての真実のゴール”を見つけやすくなるからです。
エフィカシーを高めれば、スコトーマは簡単に外れます。
そして、人生はそれに見合って自然に幸福や豊かさに満ちたものへと変化をさせていくことができます。
エフィカシーを高める方法とは、じつはたくさんあります。「エフィカシーの源泉」を知ると、それが数多く自然に見えてくるようになります。
しかし、エフィカシーを高めることにおいて最も重要なことは非常にシンプルで、以下の言葉を自分自身に語りかけることです。
「私ならできる」
「自分にならやれる」
「私は○○を達成できる」
こんなにシンプルなことでマインドやセルフイメージは十分に変わるし、人生は容易に生まれ変えることができるようになるのです。
② 現状の外側にゴール設定する

そして、次にスコトーマを外すために重要なことは、「現状の外側のゴール設定」でしょう。
端的に言うと、現状のセルフイメージを超えた外側の世界にゴールを設定し、それを真摯に目指していく信念を持ち続けているからこそ、現状を超えた判断と行動、セルフイメージやエフィカシー等の必要性に迫られ、コンフォートゾーンが変わり、結果としてスコトーマが外れます。
- ゴールは「現状の外側」に設定する
- 心から望むこと、成し遂げたいことをゴールとして設定する
- ゴールは人生の各方面にまんべんなく設定する(バランスホイール)
※ 「現状の外側」のゴールとは、現在の延長線上の未来には到底起こり得ない、自分が大きく変わらない限り、絶対に達成できないような遠く高いゴールのことです。達成方法が現時点ではまるで見えないゴールです。
③ アファメーション

上記①でご紹介した「私ならできる」という方法は、よくよく冷静に考えてみると、自分に対する肯定的な言葉がけ、セルフトークでしかありません。
人間のマインドやセルフイメージを形成するのは、とりわけ、セルフトークの影響が大きいのです。
ここで、ぜひ皆さんに身につけ、実践していってほしいものの筆頭が「アファメーション」です。アファメーションとは、マインド変革やゴール達成できる自分と高いエフィカシーを築くために、自分と潜在意識に語りかける文章のことです。
アファメーションは、セルフイメージやコンフォートゾーンを高め、自己変革とスコトーマを外すための最強・最高のツールと言えます。
私はもっと大きな人間になれる。もっと多くのことができる。もっと多くを手にすることができる。私は自分自身のこと、自分に語りかける言葉からはじめ、可能性の扉を切り拓いている。
私は、流暢な英語で世界中の人たちとの交流を楽しんでいる。豊富な語彙力と美しい発音のおかげで会話も弾み、あらゆる英語や書籍をスムーズに理解し、エキサイティングな日常を過ごしている。
私たちは毎月、世界中を旅してまわり、様々な国や美しい名所、多彩な文化や街並みに触れ、ダイビングや豪華客船を楽しみ、超一流ホテルや楽園でのひと時を満喫している。
④ コンフォートゾーンの外側の人物に接する

あなたが普段、身近に接している人たちというのは、コンフォートゾーンの内側に存在する人々です。
人は、自身のコンフォートゾーンの内側に存在する人たちに対して居心地がよいと感じ、コンフォートゾーンの外側にいる人々に対しては無意識に避けようとするものです。それが私たちの無意識に持つコンフォートゾーンの働きだからです。
スコトーマを外すためには、セルフイメージやコンフォートゾーンを変える必要があることは前述した通りですが、普段から接している人との会話は、現状のコンフォートゾーンにおける出来事になりますから、スコトーマを大きく外すことはできません。
すなわち、現状の外側の人々や自身のコンフォートゾーンの外の世界の人たちと接すれば、それは非常に大きなスコトーマを外すきっかけとなります。
コンフォートゾーンから大きく外れた人々と敢えて接することで、コンフォートゾーンが揺らいだり、大きく移動をする可能性があるからです。
- 今の自分から遠く及ばない素晴らしい人物たちの情報に触れたり、話を聞きに行ったり、彼らの書籍等に親しんでみる
- いつもの自分が足を運ばなかったり、身近に接しないような場所や人物に赴いてみる
- 思い切って、憧れの人物や目標とする偉大な人たちにアクセスを試みる
⑤ 未知への挑戦

今まで自分が縁なく触れてこなかった物事や世界というのは、コンフォートゾーンの外側に他なりません。
すなわち、未知への挑戦とは、現状からのセルフイメージやコンフォートゾーンの移動そのものであり、大いなるスコトーマを外します。
とにかく、新しいことに挑戦して、現状のセルフイメージを突破しましょう!!
- 今までやってみたことのないこと
- 過去に挑戦しようとして結局やらなかったこと
- 未体験な世界と領域への探求・挑戦
- 新しい娯楽や趣味に挑戦する(ゴルフやスカイダイビングをしてみる)
- 未開拓なファッションやグルメに手を伸ばす
- ラグジュアリー体験、海外を含め超一流ホテルや旅館等に宿泊
- 超高級車や気になっているクルマの試乗
- 日本一周してみる、〇〇で日本縦断の旅
- 未知の国や地域を旅する、豪華客船に乗船
- 未体験の学問やスポーツに取り組んでみる
- フルマラソン・トライアスロン等に出場
- 触れたことのない分野の講義・講演を聞きに行ってみる
- はじめての「語学」「芸術」「専門分野」「学校」など
- 書籍を執筆・出版する
- 新規事業・ビジネス・商品やサービスを立ち上げる
- 起業・独立を目指す
- 政治を志す、〇〇に立候補する
⑥ 抽象度を上げる

抽象度とは、簡単に言ってしまうと、「視点の高さ」のことですが、抽象度を上げるような意識や習慣を持つと、スコトーマがどんどん外れていきます。
例えば、「自分の趣味」について考えた場合と、もう少し視点を上げる、もしくは視点を広げて、「家族全体の趣味や娯楽」について考えてみた場合とを比較すると、後者の方が明らかに見るべき視点や幅が多く、自分一人から家族全体というより高い抽象度に視点を移動することで、見える範囲が変わることが分かると思います。
すなわち、抽象度と視点の高さとは、スコトーマという心理的盲点の領域に直接的な影響を与え、抽象度が高まるにつれて、スコトーマは少なくなっていきます。
ここでは、最も簡単に抽象度を上げるための方法や訓練として、アファメーションを使った抽象度の高め方をご紹介します。
私は、この世のあらゆる事象や出来事をより高い視点から俯瞰して見通すことができる。より多くの物事やたくさんの人たちの視点を伴った抽象度の高い思考と判断をすることができる。
だから私は自分一人の利己に固執することなく、自分以外の利益を尊重して行動することができるので、多くの支持を集め、あらゆる可能性を模索して自身の役割を果たし、この世に生を受けた意義を全うしている。
⑦ 感謝を習慣にする

初めて聞くと意外に思われるかもしれませんが、感謝はスコトーマを外します。簡単な例をいくつか挙げてみましょう。
- 家族や親に感謝をすると、その人の存在のありがたさや尊さがより見えるようになり、「恩返しをしよう」「何かプレゼントをしてみよう」「家族や親の喜ぶゴール設定をしよう」などという気持ちになる
- 人生の師やその教えに感謝をすると、「私はその人たちの言葉と教えのおかげで、今の自分がある」と改めて知ることができ、「教えをもっと真摯に受け止め、活かしていこう」と思いを新たにすることができる
- 友人や仲間に感謝をすると、「私はこの人たちに本当に支えられ、ここまで来れたのだ」ということが分かり、「もっと彼らに親切にしよう」と考えることができる
- 食べ物に感謝をすると、食べ物のありがたさや、それを作ってくれた人々の手間暇に思いがめぐるようになり、「もっと食べ物を大切にしよう」と、食べ物に対する感謝や豊かさを実感することができるようになる
- 先祖に感謝をすると、「自分の存在は、何代も脈々と受け継がれてきた先祖たちの偉大なる努力と恩恵の賜物」と気づくことができ、「もっと自分を大切に生きよう」「もっと社会に役立つ存在になろう」という思いになる
上記の例からも分かるように、感謝をすると、今までは見えていなかった色々なものや考え方が見えるようになり、「自分や周りの環境に対する捉え方」「自分が本当にあるべき生き方やゴール」「他人に対する接し方や行動」などが、感謝の習慣を持っていない場合と比べて、全くと言っていいほど異なる生き方や世界観になるのです。
ですから、「人生を大きく変えてみたい」とか「人生を飛躍させるために、大いなるスコトーマを外したい」といったとき、感謝を習慣にすることは非常に効果的というべきか、本当に重要で大切なマインドの使い方なのです。
感謝を習慣にする方法は、決して難しいものではありません。
「ありがとう」や「感謝してます」などの感謝を表現する言葉を、日々の日常生活の中で使っていくような意識を持つと、次第に感謝に関するスコトーマが外れていき、感謝すべき対象や”深い感謝の伴った生き方”が見えてくるようになります。
あるいは、以下のようなアファメーションを使うのも大変効果的です。
- 私は、この身を授けてくれたご先祖様、両親に感謝します。
- 私は、応援してくれる家族、親族に感謝します。
- 私は、お世話になった恩師に感謝します。
- 私は、支えてくれる友人や仲間、お客様に感謝します。
- 私は、命の根源、天の恵みに感謝します。
- 私は、食べ物や大地の自然に感謝します。
六方拝の解説はこちら
まとめ
スコトーマとは、いまの自分にとって慣れ親しんだ世界からは見えない盲点、現状の外側の世界のことなので、自分ひとりだけでは、なかなか気づきにくいものです。
しかし、「スコトーマを外していく」という意識を持って、これまで解説してきた「スコトーマの外し方7選」を実践していくと、あなたの人生はこれまでにない現状とはまったく異なった世界観になっていくはずです。
- エフィカシーを高める
- 現状の外側にゴール設定する
- アファメーションを実践する
- コンフォートゾーンの外側の人物に接する
- 未知への挑戦
- 抽象度を上げる
- 感謝を習慣にする